命より大切なもの
星野富弘さんという有名な詩人がいます。若く教師になりたての頃、学校のクラブ活動での仕事中に事故に遭い、その後、手足の不自由を失ってしまいます。障害を持ったまま、口に筆を抱えたまま、文や絵を描き始めます。その彼が、書いた詩の中で、とても心を打たれたものがあります。
失うことで初めて見えてくるもの
「命が一番大切だと思っていた時、生きるのが苦しかった。
命より大切なものがあると知った日、生きているのが嬉しかった。」
ー星野富弘
この根底にあるのは、「執着」です。
人が究極として持っているものは、死に関する恐怖です。生きることに執着している限りは、死を恐れます。生と死は背中合わせだからです。死を恐れる限りは、本当に生きることを存分に楽しむことはできません。生きることに対する執着を手放して初めて、死の恐怖から解放されるのです。そして、初めて生きることが楽しくなれるのです。