【風の色】

2017年2月8日

いつのことかしら。

野原で夏草に抱かれ風を感じだのは。

草の香りと汗ばんだ肌。

風を感じながら、

その果てしない優しさに包まれながら微睡んでいました。

 

「風の色」。子供の頃、誰もが体験したことがあるかもしれません。

でも、いつしか忘れ去られた感覚。

 

禅の公案に「風の色は何色?」というものがあります。

考案とは、禅の修行の際頂く質問のこと。

 

響きが素敵で、「なんて素敵な考案なんだろう」と思いつつ坐っていました。

これは、私にとっては忘れられられない考案の一つ。

 

以前、全道場に通っていた頃の事です。

常識的に考えてみても風には色はありません。

 

で、しばらく坐ることに。なかなか煮え切らないまま参禅に行きました。

参禅とは、老師に考案の答えを提示する為に会いに行くことです。

 

その時 老師と謁見している部屋にあるカーテンが一瞬風で揺れたのです。

その瞬間、私は風になっていました。

 

これは、言葉では表せられない境地。

 

その瞬間何が起こっていたのかもうまく説明できないけれど、

風と一体になった私は、本来の私に出会うことができたのです。

その時、初めて無条件の愛の意味を体感しました。

 

「風の色」には、このような深い意味があります。

 

大いなる大地は私たちを愛で包み込みます。

子供の頃、私たちは既に豊かさの中にいることを知っていました。

 

ちょっと忘れ去られた感じる世界。

 

日常の生活の中でも、少し「風の色」を感じる時間を

大切なあなたに許してあげてください。

毎日がワクワクするものに変わりだします。