いつのことかしら。
野原で夏草に抱かれ風を感じだのは。
草の香りと汗ばんだ肌。
風を感じながら、
その果てしない優しさに包まれながら微睡んでいました。
「風の色」。子供の頃、誰もが体験したことがあるかもしれません。
でも、いつしか忘れ去られた感覚。
禅の公案に「風の色は何色?」というものがあります。
考案とは、禅の修行の際頂く質問のこと。
響きが素敵で、「なんて素敵な考案なんだろう」と思いつつ坐っていました。
これは、私にとっては忘れられられない考案の一つ。
以前、全道場に通っていた頃の事です。
常識的に考えてみても風には色はありません。
で、しばらく坐ることに。なかなか煮え切らないまま参禅に行きました。
参禅とは、老師に考案の答えを提示する為に会いに行くことです。
その時 老師と謁見している部屋にあるカーテンが一瞬風で揺れたのです。
その瞬間、私は風になっていました。
これは、言葉では表せられない境地。
その瞬間何が起こっていたのかもうまく説明できないけれど、
風と一体になった私は、本来の私に出会うことができたのです。
その時、初めて無条件の愛の意味を体感しました。
「風の色」には、このような深い意味があります。
大いなる大地は私たちを愛で包み込みます。
子供の頃、私たちは既に豊かさの中にいることを知っていました。
ちょっと忘れ去られた感じる世界。
日常の生活の中でも、少し「風の色」を感じる時間を
大切なあなたに許してあげてください。
毎日がワクワクするものに変わりだします。